東京外国語大学 AA研 チベット牧畜文化辞典編纂チーム 運営

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宗教的な場所と建造物 > 土地神の社
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チベット語
日本語
解説
ལབ་ཙེ།
lab tse
labtse 音
土地神の社(やしろ), ラプツェ
土地神の宿り場として、氏族単位で山中に作成される。ཚོ་མདའ།と呼ばれる竿を中軸に、氏族を構成する各世帯の男子成員が持参した奉納物གཡང་མདའ།(矢をかたどった木製の長い竿)を束ね合わせる形で作る。
ཕོ་བྲང་།
pho brang
hoᵝraŋ
(ラプツェの基台の下にある)土地神の住む宮殿とされるもの
文字通りには「宮殿」。地中に数メートル四方の穴を掘り、その中に諸種の清浄な宝物(経典や仏像、埋蔵用呪物、お香や磚茶など)を詰め込んで荘厳(しょうごん)する。
བཞུགས་ཁྲི།
bzhugs khri
ᵝʑəɡʈʰə
1 法座 2 ラプツェの基台
ཚོ་མདའ།
tsho mda’
tsʰoᵐda
(ラプツェに建てる)氏族集団全体の柱
文字通りには「氏族集団の矢」。この柱がラプツェの支柱となる。
སྡེ་མདའ།
sde mda'
ʳdeᵐda
(ラプツェに建てる)村ごとの柱
文字通りには「村の矢」。
གཡང་མདའ།
g.yang mda'
ᵞjaŋᵐda 音
1 福運を持つ矢 2 招運の儀式を行う際に用いる矢形の棒 3 土地神に捧げる武器
矢形の棒に五色のカターをあしらったものを人生儀礼や開眼供養などで用いる。また、土地神の社ལབ་ཙེ།に奉納する矢をかたどった、木製の長い竿も指す。
མདའ་ཤིང་།
mda' shing
ᵐdaxaŋ
(ラプツェに建てる)各家庭ごとの柱
རྨུ་ཐག
rmu thag
ʳmətaɡ
  
(ラプツェに建てた柱全体に巻きつける)羊毛で作った縄
羊の原毛を紡いで作った綱を柱全体を束ねるようにぐるぐると巻きつける。この語の原義は古代チベットに関する伝承において、王が天界と地上を往来できるように頭頂から天上に伸びていたとされる「霊力の綱」である。ラプツェの祭儀で用いられる縄に同じ名が与えられるのはこの伝承に因んでおり、綱の先端を山の上方へ高く張ることで、天の神霊の力を呼び込むことができると考えられている。