東京外国語大学 AA研 チベット牧畜文化辞典編纂チーム 運営
 

འབྲོག་པའི་པོ་ཏི།

チベット牧畜文化ポータル

近代化した新しいバター作り

2019年11月23日UP
カテゴリー/搾乳と乳加工
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© Kuranishi

現代のバターづくりの特徴

現代ではクリームセパレーターがほぼ全世帯に普及している。1980年代に手動のものが流通し、今では電動式のものが用いられている。

1. 生乳の温め

搾乳したての生乳を人肌の温かさに程度に温める。

2. クリーム分離

温めた生乳クリームセパレーターにかけ、遠心分離のしくみを使ってクリーム脱脂乳(スキムミルク)に分ける。クリームは2、3日分溜めておいてから次の工程に移ることが多い。脱脂乳(スキムミルク)チーズづくりに用いる。

左側のバケツに脱脂乳、右側の容器にクリームが溜まっている

3. 水洗

クリームに水を注ぎ、よく洗う。2回ほど水を換えて、残留しているバターミルクなどを取り除いたら、バターの完成。

4. 脱水

手でよく叩いてバターから水分を十分に切る

木製のバター入れ

5. 保存

できあがったバターは50kg以上の大きな袋に袋詰めしておく。余計な水分が飛ぶように麻袋状の袋が用いられることが多い。普段食べる分はバター入れに取り分けておき、日常の食事に用いる。


文:平田昌弘
イラスト:蔵西
写真:平田昌弘、星泉、山口哲由
初出:SERNYA 3号 35–37頁