東京外国語大学 AA研 チベット牧畜文化辞典編纂チーム 運営
 

འབྲོག་པའི་པོ་ཏི།

チベット牧畜文化ポータル

食文化

牧畜生活のみで得られる食材は乳や乳製品、肉や内臓などに限られます。アムド地方の牧畜民は、限られた食材を使いながらも、周辺に住む農民との交易によって得られる農産物や、放牧地に生える野草やキノコも活用して様々な料理を作ってきました。ここでは牧畜民の食卓を彩るさまざまな食事を紹介します。

カテゴリー/「食文化」のコラム

チベット式の茶碗蒸し、カルコン

肉のスープに小麦粉の生地で蓋をして蒸したチベット式の茶碗蒸し。箸で生地を崩しながらいただきます。

レバーのたたきを網脂で巻いてゆでたごちそう、セラ

内臓のまわりについている網状の脂、網脂。世界各地で包み料理に用いられる食材ですが、ここではレバーのたたきを巻きこんだゆで料理を紹介します。

蒸し餃子みたいなピザ? イラクサと大麦粉と肉の蒸し料理、ソルグ

イラクサと大麦粉と挽き肉のあんを小麦粉の生地でくるんで蒸し上げます。

ニョクで脂をおいしく

マッシュポテト好きのあなたにおすすめしたいニョク。豆粉や小麦粉、じゃがいもなどの炭水化物に脂身・バターをたっぷり加えたシンプルな料理です。茶碗一杯平らげればエネルギー充填!

草原のめぐみを食べよう その1 花を食す

野草や木の実、キノコなどの食利用を紹介する連載「草原のめぐみを食べよう」を始めます。第一回目は野葱の花を使ったレシピです。世界的にもエディブル・フラワーが注目を集めていますが、味や栄養価の他、その見た目や食感、健康的なイメージなども人気の理由のようです。チベットの牧畜民は野の花をどのように料理するのでしょうか?

草原のめぐみを食べよう その2 おいしいものにはトゲがある。

チベット牧畜地域での野生植物の食利用の連載コラム第二回。今回はトゲが多くて収穫に一苦労するものの、葉肉がやわらかく美味で、いろいろな料理に利用できるイラクサを紹介します。

草原のめぐみを食べよう その3 草原で採れる高級食材

野生植物の中には毎年ほぼ決まった場所に生える種類のものもある。キノコもそのひとつである。雨後に草原にポツポツと顔を出すキノコを見つけるには、土地勘とよい視力が必須だ。

草原のめぐみを食べよう その4 すっぱさを求めて

子供の頃、グミやヤマモモ、桑の実を採って食べたり、スイバの茎をかじってその爽やかな味を楽しんだりしたことはないだろうか。チベットの草原や森にも、生のまま口にできる野生植物が多く生育している。その多くはほのかに甘く、すっぱい。

セイタカダイオウを食べる―カム地方の牧畜から

かつて宿営地の周りや放牧地にある「食べられる野生植物」は、単調な食生活にアクセントをつける貴重な存在であった。ここでは、登山者の人気も高い高山植物セイタカダイオウを、牧畜民と一緒に食べに行った様子をレポートしたい。

草原のめぐみを食べよう その5 ハレの日を祝うトマ芋

チベットに行ったことのある人なら、この茶色い、小豆のような食べ物を口にしたことがあるかもしれない。白いご飯に炊き込まれていたり、ヨーグルトと一緒に供されたりする、ほんのり甘くてサツマイモのような食感のあれだ。この食べ物の正体はいったい何だろうか?

草原のめぐみを食べよう その6 乾燥イラクサを使った料理

イラクサの食利用については、「草原のめぐみを食べよう その2 おいしいものにはとげがある」でも紹介した。今回は、乾燥させたイラクサを用いた料理についてみていこう。

草原のめぐみを食べよう その7 菜食主義牧畜民の食卓

「菜食主義運動」はチベット牧畜民社会にも急速に広まりつつある。ここでは、高僧の勧めに従い、菜食主義を2年前から続けている牧畜民女性の食事を紹介する。

草原のめぐみを食べよう その8 野生植物の食利用とチベット牧畜民 (最終回)

本連載では、これまで7回にわたり、東北チベット牧畜地域における、野生植物の食利用の事例を紹介してきた。最後に、牧畜民の食生活における野生植物の位置づけについて考察する。

ミルクを用いた料理「オコ」

「オコ」とは「ミルク・スープ」といった意味のチベット語であり、ミルクを用いたスープ状の料理全般を指す。これらのミルク料理は毎日食されているわけではないが、肉を食べない斎戒日などに食卓に上がる。